
「桐竹鳳凰麒麟文様」は、記事の最後に解説しています。
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目次
天皇陛下だけのお召し物 —— 黄櫨染御袍
黄櫨染とは、どんな色

写真 出典:内閣府(CC BY 4.0)
即位正殿の儀の折に、天皇陛下がお召しになった御装束を黄櫨染御袍と言います。
黄櫨染 —— 難しい漢字ですが、色の名前です。
どのような色かというと、その表現は様々。
黄色味のある茶色 とか
赤味がかった黄色 とか
黄色味の暗い赤色 とか
定まった色合いでないのは、黄櫨染の染め方は秘法であり、染色技術の難しさから、毎回全く同じ色には染まらないためです。
幻の染色とも言われ、平安時代からずっと天皇だけがお召しになれる色でした。
この布を太陽や灯に透かせて見ると、赤く美しく輝くそうです。
まさしく、日の本の国、日本の天皇に ふさわしい色です。
黄櫨染御袍について

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黄櫨染御袍は、黄櫨染の色と「桐竹鳳凰麒麟」の織りの文様がセットになっています。
その歴史はとても古く、平安時代にまで遡ります。
まず、820年、色が嵯峨天皇の詔により定められました。
儀式や行事の際に、天皇がお召しになる装束は黄櫨染の色と決まり、「絶対禁色」つまり天皇以外の人は許可なく着用することができない色となりました。
平安時代の中期には、文様も定められました。
当時は、桐と竹と鳳凰のみの地紋でした(画像参照)。
その後、麒麟の文様も加わり、現代にまで至ります。
桐竹鳳凰麒麟文様
桐竹鳳凰麒麟文様

この文様の主役は鳳凰。
鳳凰は、徳の高い帝が世を治めるときに現れると伝えられてきた伝説の鳥です。
そして、桐の木に棲み、竹の実だけを食べる ——
そこから桐竹鳳凰の文様となりました。
その後に、麒麟も加わりました。
麒麟は首の長いキリンとは違います。
伝説上の生き物で、鳳凰と同じく聖帝が治める世にだけ現れるとされています。
この文様の特徴は、「筥形文様」です。
桐・竹・鳳凰・麒麟を筥(箱)に収めるように、四角形の中に左右対称に配しています。
日本において大切に継承されてきた、尊い伝統文様です。

清少納言は『枕草子』の中で、桐と鳳凰について、こんな風に述べています。
桐の花が紫色に咲く様子は風情があるけど、葉っぱが大きく広がってるのは大げさに感じてしまう。
でも、他の木と同じ様に、あれこれ言ってはいけないのかもしれない。
唐の国では、仰々しい名前のついている鳥…鳳凰が この桐の木だけに棲むらしいから。
桐は、とても特別な木 !
桐の木の花、紫に咲きたるは なほをかしきに、葉の広ごりざまぞ、うたてこちたけれど、異木どもと ひとしう言ふべきにもあらず。唐土に ことことしき名つきたる鳥の、選りてこれにのみ ゐるらむ、いみじう心ことなり。「木の花」
竹の実の余談ですが、竹に実がなる事はとても珍しく、たとえ花が咲いても60〜120年に1度だけ。
その後に実がなります。
そして、竹は枯れてしまうそうです。
鳳凰は、100年前後もお腹を空かせたままなのでしょうか?
ちなみに麒麟は、さらに上をいきます。
命あるものを愛しむため、何も食べず、草さえ踏まず、いつも空を翔けているのだとか。


