文様とは何でしょう?

目次

文様もんよう紋様もんようの違い

文様とは何でしょう?
また、紋様との違いは?
辞書を紐解ひもとけば

もんよう [文様・紋様] 紋のありさま。模様。

『広辞苑』第四版 岩波書店

もんよう 1 [文様] 模様。 2 [紋様] 紋の模様

『新明解』国語辞典 第六版 三省堂 

しかし、文様も紋様もただの模様ではありません。
日本での文様の始まりは、縄文土器の縄の模様と言われています。
それから1万3千年。
文様の歴史は続いているのです。
こんなにも長い時の間、継承けいしょうされてきた文様。
ただの模様ではありません。
それぞれ、明確な違いがあるのです。
文様と紋様の違い
臥蝶菊文様のイラスト
「文様」とは…
植物や動物、幾何学などの模様のパターンが、長い時代受け継がれ伝統となったものです。
健康や魔除けなど、人々の願いや祈りが込められています
描く人の感性でデザインが変化する
画像 菊文様の一つ「臥線菊ふせんぎく文様」
皇室の紋章「十六弁八重表菊」の図。
「紋様」とは…
紋様とは、家、お寺、神社など特定の集団を象徴する紋章もんしょう」としての役割を持つ文様です。
そこには、その集団の歩んできた由緒や未来への希望などが込められています。
デザインは決まっており、ほとんど変化しない
画像 皇室の紋章である菊紋様 「十六弁八重表菊じゅうろくべんやえおもてぎく

文様とは…?

私の解釈

文様とは…

文様とは…人々の願いや祈りを形に込めて、遥か昔より伝えられてきたもの

各専門家の解釈

さまざまな職業の方が、この問いに対する考えを述べていらっしゃいます。
それをまとめてみました。
文様とは…
2匹の鶴が松の枝を咥え向き合っている松喰鶴文様
文様とは…
  • 夢を描くこと
  • メッセージが込められている
  • 意味や物語がある
  • 人々を幸せにする祈りの力がある
  • 神様がひそんでいる
  • 祈りや願いが託されている
  • 歴史の顔がある
  • ロマンである
  • 物語を含むトータルな装飾宇宙
  • 恐れや不安を祈りに込めて鎮めようとした
  • 生活や伝承に基づいた意味合いが隠されている
文様とは、なんと深く壮大であることでしょう。

以下、それぞれの抜粋です。

文様の世界というのはを描くものなんや。

森口華弘かこう氏(染色家)の言葉

文様にはメッセージが込められています
文様はデザインとして魅力的なだけでなく、背景に潜んだ意味があり、組み合わせによって異なる意味を表すこともできます。
『文様を読む 茶の湯を彩る四季のデザイン』木下明日香著(茶道資料館学芸員)

文様には意味物語がある。
文様には、人をしあわせにする祈りの力がある。

「文様」には、祈りの風景が在ります。表層的な「デザイン」ではありません。
そこには、人々の祈りや願いが込められ、神さまが潜んでいます
神々や自然に対する人々の祈りを宿しながら、心へと静かにはたらきかける「気配」のようなものがあります。
日本の美意識は、西洋をはじめとする、さまざまな文化と融合することで育まれてきました。
文様の起源もまた、日本だけに帰するものではありません。
世界を駆け巡り、古今東西の人々の願いを宿してきた文様には普遍性があります。
だからこそ文様は、今なお美しく、そして「新しい」のです。

『日本の文様ものがたり』トトアキヒコ著(唐紙師) 

人々が文様を描くようになったのは、いつの時代のことでしょうか? 
銅鐸にも描かれていたことを思うと、太古の昔から人々は文様とともに歴史を作りだしてきたのかもしれません。
いまも残る数々の文様は、その時代を生きる人々の祈りや願いが託され継承され、少しずつかたちを変えてきました。

『日本の伝統文様』藤依里子著(ライター) 

われわれの日常生活では、身の回りをちょっと見渡せば、文様の一つや二つはすぐに見つかる。
食器を飾っていたり、また、壁紙や、着ている衣服などにもその姿はとらえられよう。
さらに眼を転ずれば、包装紙や本の表紙などと、枚挙にいとまがない。
われわれの生活は、文様に取り巻かれているといっても過言ではないであろう。
各々の文様には、それぞれ歴史の顔がついているといえる。

『日本文様の源流』江上やすし著(東京文化財研究所名誉研究員)

文様は形だけのもの、単なる記号ではない。
その文様によってつくられた、色と形のアートの世界であり、その様の名前とともに呼び出されるロマン、物語を含むトータルな装飾宇宙なのだ。

『日本の装飾と文様』海野弘(評論家)

文様を大きく分けると、幾何学的な文様、具象的な文様、そして象徴として用いられる抽象的な文様からなる。
人間は本来白い壁や何もない空間の中では落ち着かず、その白壁や空間を積極的に装飾することを考えた。原始の時代、心にわき起こる怖れや不安を、呪術的な祈りを込めた図や形によって沈めようとしたことが文様のはじまりでもある。

『日本の文様』コロナブックス編集部 

文様は年中行事と関わりのあるもの、暮らしの近くで見聞きする動物や植物、自然の風物、そして大好きだったのが語呂合わせや判じ物で、遊び心に溢れた「めでたい文様」です。
どの文様を見てもその文様の裏には、生活や伝承に基づいた意味合いが隠されています。

『江戸文様このみ』熊谷博人(ブックデザイナー)

一つひとつの文様には、どのような意味や物語が込められているのでしょうか?
文様図鑑で、その世界をご覧ください。

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